元・物置部屋に、二人きり。
いきなり連れ込まれてビックリした。飛鷹さん、いつもと違う感じがするし。なんていうか、少し暗い?というか。
「ひ、飛鷹さん……?」
「……ねぇの?」
「な、何がですか?」
「メソメソパン、ねぇの?」
「……」
第一声が、それ?
そんなにメロンパンが好きなの?けっこう甘いよ?
いつも通りの飛鷹さんに、肩の力が抜ける。さっきまでピリついていた緊張感が、一気に薄れた。飛鷹さんが暗いと思ったのは、どうやら気のせいだったみたい。
「メソメソパン、どーせ持って来てんだろ?アンタ、昨日も泣いてたもんな」
「う……聞こえていたんですね」
すると飛鷹さんは「ったりめーだろ」と。自由な両手を動かし、タバコを取り出した。
だけど、ふと私を見て「あぁ」と。再びポケットに押し戻す。どうやら未成年を前に、気を遣ってくれたみたい。
なんか、飛鷹さんって……。
「……」
「なんだよ」