「さっそく思い出をメモしなきゃ!えぇっと。

咲人さんは使った食器をテーブルに置きっぱなしじゃなくて、いつも片づけてくれる、っと」


さっき。何気ない動作をそつなくこなす凛とした仕草に、思わず見とれた。綺麗な横顔にかかる、栗毛の髪。朝日に照らされ、キラキラ光っていた。


「でも髪だけじゃなくて、咲人さんの全身も光ってるよね。相変わらず今日も眩しかった。

……あの頃と変わらないなぁ」


出会った時、私を助けてくれた咲人さんは眩しいほど王子様だった。もちろん一か月経った今も、私の中では変わらず王子様だ。

残念ながら、私はお姫様になれなかったけど。王子様と触れ合えたこの時間は、私にとってかけがえのない宝物だ。



『……ぷっ、ミミってバカ』
『キスの練習、するから』
『ミミ、気持ちいい?』
『俺のキスを覚えてよ』
『……ミミ、ケガは?』



「……あ、気を抜くと泣いちゃう。
わー、止まれ涙」