(咲人さん、朝ごはんって言ってもコーヒーだけだ。あ、目の下にクマがついてる。寝てないのかな)


まさか夜通し女の人と……いや、やめよう。余計なことを考えて、余計に傷つくのはナシだ。意味ないもん。


(っていうか咲人さん、私に怒ってるよね。どうして出て行ってないんだ、って)


咲人さんのいない部屋で、一晩考えた。

私はこれからどうすればいいんだろうって。咲人さんのために、どうするべきなんだろうって。そもそも私は、まだ咲人さんを好きでいていいのかな……って。

悩んで、考えて、頭をひねった。
だけど……答えは出なかった。

私が出て行けば、咲人さんの意志は尊重される。咲人さんを好きでいるのをやめれば、私もこれ以上に傷つかない。となれば――きっと私たちは離れることが最良、なんだけど。


(どうしてかな。足が動かない)