「シャワー浴びる」

「……ご飯、は」

「……」


私を通り過ぎ、ドアへ向かう咲人さん。ドアノブへ手をかけたのか、軽い音がカチャリと響く。


「ミミはさ、そういうところしっかりしてるよね。朝ごはんとかさ」

「え……、しっかり?」


いきなりの発言にビックリ。咲人さんの目には、そんな風に私が写っていたんだ。

と、喜んだのもつかの間。


「だからココを出て行っても、生きていけるね」

「――」


ココを出て行っても。
咲人さんがいなくても。

何の問題もなしに私が生きていけるって。
本気で、そう思っているんですか咲人さん――


その後「朝ごはんはいらない」、とピシャリ。咲人さんは姿を消した。部屋には私、一人きり。


「あれ……、あれれ?」


なんで?
どうして?
さっきまで良い雰囲気だったのに。


「やっと触れる距離にきたと思ったら、簡単に離れていく……」