「今さら嫌がっても、もう止めてやらないです」
「ふっ、男が言いそうなセリフだ」
「ふふ」
珍しく咲人さんが笑うものだから、私に手を伸ばしてくれたから。その指先をついばみ、骨ばった首に再び手を回す。
「これでも、私たちこんな事してても……好きって言ったら、迷惑ですか?」
「ミミ……」
咲人さんが困ってる……ように見える。そう見えるだけかもしれない。はたまた私の願望なのかも。
でも咲人さんから、いつもの覇気を感じなくて。その弱々しさが、根底から私を拒否してないように見えて。
拒否されるかもしれないと震える手に喝を入れ、咲人さんの唇に近づいた。思い切ってキスしようとした、その時だった。
「……これ」
「あ」
咲人さんが見るのは、首元についたキスマーク。言わずもがな、さっき飛鷹さんにつけられたもの。