「ココを出て行かないし、俺以外の奴を庇うし。いつから悪い子になった?」
「ん……っ」
「俺だけのミミじゃなかったの?」
「ひゃっ!」
耳元で、そんなこと言われたら……っ!
凶暴な独占欲をぶつけられ、勘違いの海に溺れそうになる。
もしかして咲人さん、嫉妬してる?
飛鷹さんにライバル心を抱いてる?
私が離れていくことに焦ってる?
(焦ってほしい、掴まえてほしい。そして、二度と離さないで)
「ミミ」
「んぅ……っ」
気分が高まり、甘い声が漏れる。抑えようと思っても無理な話で、何度も何度も体をびくつかせ、甘いしびれが全身を漂った。
はしたなくも気持ちいいって思っちゃう。
ずっとずっと、このしびれを受け止めていたいって思っちゃう。
だけど――
そんな私を、もちろん咲人さんは良しとしないわけで。「シー」と、人差し指を私の口にピトリと当てた。
「静かに。アイツは耳がいいから。ミミの恥ずかしい声、全部聞こえちゃうよ?」