ぶった切られた思考の先にいるのは、真っすぐ私を見る咲人さん。

あ、この表情……。次に、何を言われるか分かる。それが私にとって良くない言葉だって事も。


「ミミは、早くココを、」

「……っ」


聞きたくない!
ギュッと目を瞑った、その時だった。


「あ~、そう言えばさぁ」


ピリッとした空間に生まれた、僅かな緩み。

呼吸を忘れるほど咲人さんに気圧された私に、「ちゃんと息しろ」と。まるで促すように、絶妙なタイミングで口を開いた飛鷹さん。


「アンタに謝らねーといけないんだった」


いまだ上半身裸のまま、コンコンと。廊下の壁を軽く叩く。


「ココ、穴あけちった」