「ありがとうございました飛鷹さん。あと……ごめんなさい」

「あ?」

「ゴキブリは嫌いなので……助かりました。叩いて殺したんですか?あ、もしかして廊下が現場⁉

ピカピカに光っていたので、ビックリしましたよ。ゴキついでに掃除してくれたんですね」

「そーね~……うん、そうそう。そーゆー事にしとこ」

「?」


辻褄が合ったような、スッキリした表情の飛鷹さん。クマが出来た目をこすりながら「俺ちょっと寝るわ」と、自ら拘束部屋に戻っていく。

だけど、ハタと。
進めていた足を止める。

急に止まったからか、飛鷹さんの髪から落ちる水滴が、パタタ――と。ピカピカな廊下に続けて落ちた。


「どうかしましたか?」

「……んー。ミミちゃんにさ、ちょっとしたご褒美を要求してぇなぁって。ホラ、俺って自分を顧みずゴキからアンタを守ったわけだし」

「あ、なるほど」