「――み、ミミ」

「んぅ……?」


心地いい声により、だんだん浮上する意識。目を開けると、ベッドに横たわる私を、咲人さんが立ったまま覗き込んでいた。


「はぇ……咲人さん?」

「ずいぶんお寝坊さんだけど学校はいいの?」

「え」


学校⁉

驚いて体を起こす。室内に時計がないことを知っているから、枕もとに置いたスマホで時刻を確認した。

現在、朝の五時。

私がしかけたアラームが鳴るまで、あと一時間。


「び、ビックリさせないでくださいよ……寝起きの心臓に悪いです」

「こんな事で驚いてるようじゃ今後が心配だけど、まぁいいか。ミミ、軽く身なりを整えておいで」

「お出かけですか?」


朝の五時に、二人で?

不思議に思っていると、咲人さんは緩く首を振った。