ミミちゃんが持ち上げようとした頭を、これでもかと押さえた。

すると二人の唇は、本当に互いを食らわんばかりに深く繋がる。ってか、むしろ本当に食らっていた方が離れねぇんじゃないかと、思い切り舌を入れた。

ネコが「ふぁっ」と鳴いたのと、俺の頬に銃弾がかすめたのは、ほぼ同時。ついさっきまでミミちゃんの頭が置かれていた場所に弾が直撃しているあたり、相手も相当の手練れだ。


(だが残念、また来世)


発砲した衝撃で腕がフッ飛ばされないよう力を込める。そして「殺ったか⁉」と確認するため顔を覗かせた敵さんのこめかみを目指し、引き金を引いた。

結果は貫通。

最後の言葉も何もないまま、絶命した輩は廊下にバッタリ倒れた。開いたドアから、男の足が二本覗いている。

だけど、その向こうの壁に深くめり込んだ銃弾。……あー、しくじった。


失敗失敗、といつもの癖で舌をペロリと動かすと、またネコが鳴いた。

……そうだ。動きを静止させるために、ずっとキスしてたんだっけ。