「飛鷹さん、怖いです離してください……!!」

「はいよー」


怖い、だとよ。まぁ分からんでもない。両腕を拘束されて且つ目隠しされたんじゃ、そりゃ怖ぇよな。

でもさミミちゃん。〝このくらいの事〟で怖いって言ってたんじゃ、今の光景みたら失神するかもよ?


ギッ……――


(来たか)


少し前から玄関から発する異音に気付いていた。この静かな音の響き方は家主じゃない。つまりアイツ以外の誰かが、ココに許可なしに立ち入ったってことだ。

えー、めんどくさ。

なりゆきでココにいるだけの俺が巻き込まれんの?って思わねぇでも無かったけど。ミミちゃんもいるし?応戦すんのは仕方ねぇよな。戦うしか他ないってわけ。