ボスッと着地した時。
生まれて初めて、頭に星が回った。


(び、びびび、ビックリした……!)


バクバク鳴る心臓は、時間が経つごとにうなりを上げる。目眩は治まりそうだけど、衝撃で口から何か出そう……。


(何を考えているの、飛鷹さんは!普通に危ないから!もし舌かんじゃったらどうするの!痛いよ!)


驚きと怒りでワナワナ震える私なんてお構いナシ。飛鷹さんは「はーい、いい子いい子」と頭をなでる。


(ん?なんか声がくぐもっているような……)


気づけば、私の視界は真っ暗だった。どうやら布をかぶせられたらしい。一枚の布を隔て、飛鷹さんの手を感じる。

でも一体、何のためにかぶせたんだろう。両手も動かない上、視界まで遮られると、さすがに怖い。


「そう怯えんなって。でも少しの間、いい子にしとけよ?そうすりゃ痛くもかゆくもねーから」

「え、どういうコトですか?何するんですか⁉」

「さっき言っただろ?〝俺も狂う〟って。
あれはつまり、

今からミミちゃんを抱くぜって、そんな物騒な話」

「!」


ビクリと体が硬直する私に、飛鷹さんは「いい子」と。再び布越しに頭を撫でる。

その後カチャリと音がしたのをきっかけに、私の耳が力強く塞がれた――