「次のターゲットはミミちゃん、アンタだ。かわいーその顔、俺が歪ませたくなっちゃった」
「なっちゃったって……っていうか離してください!拘束具も、体も!」
「せっかちな女だなー、最後まで聞けって。次にアンタを狂わすのは俺だから覚悟しろ、って。そう言ってんのよ?」
「今すぐ聞かなかったことにします!」
「うわ、ごーじょー」
ケラケラ笑う飛鷹さん。
だけど、ふとした瞬間。真顔に戻る。
鋭い瞳がスッと細められ、扉を一瞥した。
まるで、誰かの来訪に気づいたように。
(え、まさか咲人さんが帰ってきたんじゃ⁉)
抱き合ってる姿を見られたら、何て思われるか!…………いや、咲人さんは何も思わないか。私フラれてるし。
でも私が嫌だ。「へー、もう好きな人できたんだ」って思われたくないもん。
(だから離れて、飛鷹さん!)
思いとは反対に、飛鷹さんは私の腰に回した手を動かす。直後、高い音がパチンと二回。
音のした方を見ると……サロペットを脱いだ飛鷹さんの姿があった。白シャツに黒のボクサーパンツという、なんともチグハグな格好。