出会いは、ごくありふれたもので。
怖い不良に絡まれていたところを、助けてもらった。


『この子に、手ぇ出さないでね』


一目見て、一般人とは違うって分かって。
分かっていたんだけど、止められなくて。

一瞬で、大好きになった。


『で?どこから来た迷い猫かな?』


大好きって思ったら、離れたくなくて。
とっさに嘘をついた。


『あなたの家に帰りたい猫、です』


するとあなたは笑った。
口に手を添え、上品に吹き出した。
その姿さえも、既に愛おしくて。
胸の高鳴りが大きくなる。


『仕方ないなぁ。

じゃあ俺が、君を飼ってあげる』


その日から。
私は、あなたの飼い猫になった。


𓏲𓎨𓈒𓂂◌