「そうだ!!あそこからゆうにぃのところにいこう。」

幼いながらも、美羽はあの日のことを思い出して、窓から出ようと思っていた。
火はもうすぐそこまで来ている。

「んしょ・・・んしょ・・・」

あれから美羽は少し成長していたので、前みたいに失敗せずに手と足をかけられた。
そして、あの日の兄を思い出すかのように、跳んだ。。。

“トンっ・・・”

隣りの家に着地が成功したようだ・・・
そして、その家のベランダによじ登り、入っていくと・・・


“ダンダンダン・・・!!”



その家のガラスを思いっきり叩き始めた・・・

「ゆうにぃ!!ゆうにぃ!!」

ゆうにぃとは、美羽の従兄のことで裕大といい、この部屋に住んでいる・・・
裕大は美羽の声に気付き、部屋の電気をつけ、窓を開けた・・・

「美羽ちゃん??どうしたの・・・??」

裕大は、こんな夜遅くに美羽がここに来ていることに対してビックリしていた。

「あのね・・・ゆうにぃ。みうのおうちがね・・・かじなの・・・ほら・・・みてぇ・・・」

裕大は慌てて美羽の家の方を見た・・・
美羽の家の窓から真っ赤な炎が見えていた・・・

「本当だ・・・美羽ちゃん!!お父さんたちは??」

すると美羽は、下にうつむいて・・・

「ううん・・・」

と言った。
裕大はそれを聞いて・・・

「ここで待ってて!!」

と言い残し、急いで階段を降りていった・・・