思いがけない情報を得た2人はケーキに舌鼓を打った。

都は佳乃子を心配そうに見ながら話した。
「話が通じない相手だとしたら弁護士とか間に入れた方がいいね。」
「弁護士かぁ。頼めそうな知り合いがいる?」
「うん。1人だけ思い当たる人がいて。その人に頼もうかな。」

「そう…良かった。すごい強いわね。」
「泣いてばかりじゃ進まないもの。
嘆いてる時間がもったいないなって。」
佳乃子は笑顔で話した。
都は笑顔に佳乃子の離婚への意志の強さを感じていた。

「そうだこれからは佳乃子ちゃんて呼ぶわね」
「ほんと?じゃぁ…都さんの下の名前は?」
「下の名前で呼んでくれるの?千鶴よ。」
「はい。千鶴さん。よろしくお願いします。」

2人は学生のようにケーキを「美味しい美味しい」と笑顔で楽しんでいる。

佳乃子は下に名前で呼ばれるなんて学生の頃以来だなとこそばゆさと、自分らしさを取り戻し始めた気がしていた。