今日は2月28日。あと2日で僕の最愛の人、玲衣(れい)の誕生日。僕は1年前からカレンダーにこの日のためにばつ印をつけていっている。そしてほぼ毎日、玲衣との記念日が書かれている。初めて一緒に写真を撮った日、一緒にご飯を食べた日、一緒に遊園地に行った日、、、
 今日の記念日は一緒に買い物に行った日だ。玲衣は綺麗な白のパーカー。僕はお揃いの青のパーカーを買った。お揃い記念日でもあるね。その後玲衣は近くのカフェに行って仕事をする。デザイン関係の仕事だ。玲衣は主にポスターなどのデザインをしている。もちろん僕は玲衣がデザインしたもの全て持っている。
 ついに明日は玲衣の誕生日。今日は玲衣は家でスマホをいじってゴロゴロしている。可愛いなぁ、、、その間僕は誕生日プレゼントを買いに行く。玲衣が大好きなバンドのグッズだ。今日発売のグッズは玲衣がずっと前から欲しいと言っていた。だから僕はこの日のために夜中まで起きて、発売した瞬間ネットで注文していたのだ。玲衣のためならお金も時間も気にしないよ。
 ついに、この時が来た!今日は3月2日、玲衣の誕生日だ。玲衣は夜の7時に家を出るはずだ。自分への誕生日プレゼントで高級レストランに行くそうだ。
 僕は7時になると玲衣の家に向かう。
 玲衣の家の前に着くと、まだ電気がついている。よかった。まだいるな。そのまま僕はインターホンを押す。そしたら綺麗な格好をした玲衣が出てきた。
「あぁ、、、僕の最愛の玲衣。お誕生日おめでとう、、、!」
「え、、、なんであなたが、、、、?」
 玲衣は僕の顔を見た途端に驚いたような顔をする。サプライズ大成功だ。
「サプライズ成功だね。僕はこの人ために一年前から準備していたんだよ、、、」
 玲衣の顔はみるみる青くなっていく。
「なんで、、、あなたがここにいるの、、、、?どうしてこの家がわかるの?!」
「どうしてもなにも僕は玲衣の恋人だからだよ」
「貴方は私の恋人ではありません!ストーカーです!」
「ストーカー?そんなわけないよ。どうしてそんなこと言うんだよ。ほらみてよ。僕には玲衣との写真も、お揃いの服も、玲衣が大好きなバンドのグッズも買ってきたんだよ、、、?」
「これ、、、どう見ても盗撮、、、じゃないですか、、、、」
「盗撮?そんなわけないよ」
 なんでこんなに玲衣は怯えてるの、、、?
「玲衣、お誕生日おめでとう!」
 そう言って僕は玲衣に抱きついた、、、はずだった。玲衣は僕の腕を避けて自分の部屋の中に逃げ、ベランダへ逃げた。
「なにしてるんだ!!玲衣!」
「貴方が悪いんだよ!貴方が私のストーカーをするから私の人生はめちゃくちゃになった!貴方から逃げるために借金をしてまでこんな高いところに引っ越してきてるのに!すべて、、、、全て貴方が悪いのよ」
 そう言って玲衣はベランダの外へ体を投げた。
「れ、、、、、い、、、、、?」
 僕が呆然としているとしたからしたからぐちゃっとした音が聞こえる。その後悲鳴が聞こえた。玲衣が死んだ。飛び降りた。なんで?僕のせい?なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで。
 あ、、、そうか、、、僕のせいで玲衣は死んだ。だったら僕は死んで償わないと、、、そう思った僕は玲衣が落ちたところと同じところから落ちた。