道中で、冷水プールの中に沢山放り込まれたラムネが目に入る。
途端に頬に冷たい感触が蘇る。
1週間前、彼が私の頬にラムネをくっつけて無邪気な笑顔で見つめてきた瞬間が脳裏に焼き付いている。
昔から変わらないあの笑顔。

「もう、こんなのまだ全然好きじゃん。」

独り言をぽつりとこぼす。
高校生の夏、この場で振られてあれから彼の事を考えないようにしてきたのに。
今になって改めて彼の事が好きな気持ちが溢れ出てくる。

今日、全てを知ったらもう本当に終わりなのかな。
終わりたくないなぁ。