こんな浴衣を着て好きな人と花火が見れたら。
また彼の顔が頭に浮かぶ。

頭でそれを否定しても体は正直で、気付けばショーウィンドウの中にあったはずの浴衣を手にしていた。

別に、今週末に着るために買った訳では無い。観賞用に服を買う人だって沢山いる。


何度も何度も頭の中で繰り返しては自分を押さえつける。
そんな事を繰り返しながらあっという間に休日は過ぎ去っていった。