「かわいい、」

それは小さな着物店のショーウィンドウに飾られた、純白の生地に少し金色のラインが入った上品な着物、の横に飾られていた暗色の上に星を散りばめたような、細かいラメが散らされた浴衣だった。

恐らく昔の私なら真っ白な浴衣に憧れを抱いていただろう。しかし今の私は、そんな綺麗で目立つ浴衣の隣に並んでも、見劣りせず、寧ろ陰ながらに輝きを放っているそれにときめかざるを得なかった。