ギュッ......


「待って!成瀬くん!」


腕を強く掴まれ、少し驚く。


そっと振り返ってみると懐かしい顔があった。


杉浦愛花さん。


僕の中学生の時の同級生だ。


「なんで杉浦さんがここに?」


最初幻かと思った。

なんで彼女が病院の屋上にいるのだろう。

なんで、僕をみて寂しい目をしているのだろう。



「成瀬くん、もしかして死のうとしてた、、、?」


、、。


やっぱり、か。


彼女は中学生の時、男女ともに人気だった。

飾らなくて、誰に対しても平等に接することができる優しい人。


だからきっと、僕が死のうとしているのを見て、見て見ぬふりができなかったのだろう。


彼女は優しいから。

「うん、だから止めないで。」


ごめんね。僕は誰かに優しくされる資格なんてないんだ。


君の優しさをむげにして、ごめん。