いっそのこと、私は地獄に落ちてしまえば良かったのだ。
エリスの言葉が私を苦しめるくらいなら、後悔を抱くなら、贖罪よりも地獄に落ちてしまえばいいのだ。
(……今の状態で)
──死んでみたらどうなる?
ごくりと生唾を飲み込む。
薄々そうしなければならないということには、気づいていたが、気づかないふりをしていた。
腕の火傷の痕を擦ると、アリアの笑顔が思い出されて、泣きそうになってしまうからだ。
(帰ろう………)
アイテルへの墓を背に、私は帰路を辿った。
今は、アリアの顔を一目見たかった。
それだけで私の生きる意味があると思い、無心で歩き続けた。
途中で雨が降ったが、お構い無しで歩き続ける私を、通行人は怪訝な表情で見つめていたが、それすらもどうでもよかった。
重力がある。
霧の冷たさを感じる。
雨の滴りが私を包んでいく。
生きている。
この世界で。
それなのに、どうして私はこんなに虚しくなってしまうの?