緊張しながら一歩ずつ外へ踏み出すと、太陽の光が私の身体を照りつけた。


凄まじく眩しい、でも悪くない。


それは隣に太陽と同じくらいに明るいアリアがいるからだろう。



「アリアさん、車持っていたんですね」


「ふふ、このくらいカードで一括よ!
女の子を長時間歩かせる訳にはいかないもの」



助手席で揺られながら、私は窓の外をそっと見つめる。


好奇心に満ちた私の様子に気付いたのか、アリアは街について話してくれた。



「ここは【ニュクス】っていう街なの。
ギリシャ神話の“夜の女神”が由来なのよ、素敵でしょ」



「まあ、だから繁華街が多いのよね~」と少し呆れ気味ではあったが、【ニュクス】の良いところを細かく話してくれる。


まず建物自体に、夜のシンボルである星や月の模様が散りばめられていること。


プラネタリウムや天文台など観光事業が盛んであること。


昼より夜の時間が長く、場合によっては流れ星やオーロラが観察できること。