きっと本来は上級医の指示を仰ぐのが良いのだろうが、現状緊急で心臓カテーテル検査をするほどの症状でもないし、紹介元の処方さえ出せば帰宅できる。


今のところは軽症である。


そう思っていたが、紹介状の内容を転記していくうちに、嫌な予感が脳裏に浮かんだ。






【診療情報提供書】


平素より大変お世話になっております。
貴院での治療を希望されているため、ご紹介させて頂きます。



◆ユマ・オーウェン 様
◆17歳、女性
◆#心機能障害


《既往歴》PTSD(お母様との仲が悪いようです)
《アレルギー》なし
《生活歴》自宅で本人母と二人暮らし、職業:学生



ユマ・オーウェン様は動悸・呼吸困難の症状により当院を受診されました。当初は肺炎を疑いX-Pを施行したところ、心室の拡大が見られ上記診断に至りました。

同年7月に上記症状にて再度受診されたところ、SpO2低下、その後ショックバイタルによる意識消失が認められ、ICUにて入院加療を行っておりました。
入院後人工呼吸器・心肺補助装置を装着し経過をみたところ、同年9月に心機能回復し双方離脱となりました。

現時点では動悸・呼吸困難等の症状は出現しておらず、他主訴はみられませんが、心不全の憎悪の可能性をお話したところ貴院での継続的な治療を望まれました。なお、通院時・入院時の採血データ、X-P・心エコー・CTレポートを同封していますので、診療にお役立てください。

以下、外来処方になります。この度は患者さまの受け入れ誠にありがとうございました。