"由羅、心配かけてごめんね。

私、白血病だった。
しばらく入院することになったよ。

幼馴染の綾人が主治医になってくれることになって、治療を色々考えてくれてるから、絶対元気になって帰ってくるからね!

いま無菌室に入ってて面会できないけど、元気になったら会いにきてね。


颯太くんにも迷惑かけてごめんって伝えて"






「颯太、詩が…」


詩が倒れてから3日後の放課後。

2人きりの教室で、詩から送られてきたメッセージを見た由羅が、泣きながら颯太にスマホの画面を見せる。


「え…白血病…?あいつの母ちゃん、それで亡くなってたよな…」


「詩は…詩は大丈夫だよね…」


取り乱して涙が止まらない由羅の震える手を、颯太が握る。


「…大丈夫だ。あいつを信じよう。また一緒に会いに行こう」


「うん…そうだよね、信じるしかないよね…」


「あいつしょっちゅう体調崩すけど、いつもちゃんと治って学校に来るし。心配すんな」


「うん…ごめん、取り乱して」


由羅の頭をポン、と優しく叩く。



詩がまた元気になって、早く帰ってきますように。


"詩、教えてくれてありがとう。

大変だったね。

びっくりしたけど、絶対大丈夫!!!


何かできることがあったら言ってね。

いつでも話聞くよ。

退院できたら、新しくできたクレープ屋さんに一緒に行こうね!"


動揺しながらも、詩に気を遣わせないよう前向きなメッセージを送る由羅だった。