ひとりぼっちの夜に、君を照らす月をかじりたい
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彩空百々花/著
![ひとりぼっちの夜に、君を照らす月をかじりたい](https://www.no-ichigo.jp/img/member/1225937/jdppczralt.jpg)
- 作品番号
- 1728355
- 最終更新
- 2024/07/04
- 総文字数
- 2,240
- ページ数
- 4ページ
- ステータス
- 未完結
- PV数
- 16
- いいね数
- 0
いつもいつも強がって、
そのくせしっかりと周りの心無い言葉に傷ついて、
今までずっと必死に隠してきた。
そんな本当の自分を見るのが怖くて、君に知られたら嫌われてしまうんじゃないかって、───。
そんな風に、私はずっと自分の奥底に眠る素直な心の叫びに目を背けていた。
それでも、
君と共に過ごしたあのかけがえのない日々が、
君が私にくれた深すぎるほどの優しさが、
君が教えてくれた愛の尊さが、
こんな私を変えてくれたんだ。
❆
私が初めて出会った時の君は、もう死んでいたの?
それとも、もう幽霊だったの?
そんな質問ももう、あの月明かりに照らされた夜の闇に、吸い込まれては消えていくだけなのだろう。
体全体の色素が薄い、無彩色な君の横顔。
ひょろりとしたその体に、一体何を背負っていると言うの。
「俺、太陽のもとには出られないんだ。俺が外に出れるのは、曇りと雨の日と、月の光が輝く夜だけ」
「だから、夕夏。満月の夜に、俺を外に連れ出して」
───ねえ。
君は私に、一体何を隠しているの。
君は、どんな秘密を抱えているの。
お願いだから、答えてよ───。
҉ฺ
☽
どんなに足掻いたって、変えられないものはあるよ。
それが、〝運命〟なんだ。
これは、ある男女が織りなす、絶望から再生への物語。
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