そう言えば、この人…暴走族の総長、なんだっけ?

うっわー、関わりたくない…、


「誰、」


冷たく放たれた言葉に、その場の空気が凍ったことが分かった。

どうしよう…、

すると突然、その場には似合わない陽気な声が聞こえた。


「朔羅あぁぁぁ!!見つけたぁー!!」


「み、美波…?」


現れたのは幼なじみの美波(みなみ)だった。

よりによって美波か…。

“1番”空気が読めないとされている。

お願いだから余計なことは言わないで…。

そんな私の願いは虚しく砕け散った。


「あれれぇー?金色の猫ちゃん!」


…やめてくれ、これ以上何も言わないでくれ…。

最上くんも驚いて自分の髪の毛確認しちゃったじゃぁぁん!?


「猫ちゃん…」


そう呟きながら立った最上くんにサァと血の気が引いた。

…あれ?

最上くん、しゃがんでてよく見えなかったけど、怪我してる?


「美波、車は?」