「ありがとうございましたー」


コンビニから出ると、梅雨明けの涼しい風邪が肌を掠める。夏の夜は涼しいから助かる。

もうすぐ1学期も終わる。

そこまで面白くない学校生活1学期は、今のところオール学年1位で幕を閉じそうだ。

と言っても、期末がまだだ。

受けなくても結果は分かりきっているが、変化を期待してしまう。

上に立つ者はさらに上を目指さなければならない。

決して下の者に抜かされてはならないのだ。

…なんて言われるが、少し刺激があった方が面白い。

それにしても今日は、家の集まり無視しちゃったなー。

怒られちゃうかな?

なんて考えていると、ごんっと足が何かに引っかかった。


「ひぇ…っ」


お、おばけ!?

恐る恐る顔を左下に向けると、輝く金髪のイケメンが居た。

…あれ?

この人って…


「いって…」


閉じていた瞼をゆっくりと開く彼、最上 玲都(もがみ れいと)くん。

…うっ、噂通り目つきが悪い。

鋭く天色の瞳を光らせ、こちらを見る最上くん。