「それで、夕暮れ時に遊んでいると神隠しにあうから、
夕方になったらこの神社では遊んじゃいけないんだ」

それはわかったが、歌も聞こえてきた気がしたんだけど…

「おかえり。学校どうだった?」

「大丈夫だったよ」

私は、そう言うと、自分の部屋に行って、部屋着に着替えた。

このクローゼットからはもう何も感じない。

本当にいなくなったんだ。

前まであった嫌な感じは、もうすっかりなくなった。

あの時、桐ヶ谷くんが除霊してくれたおかげだ。

なんであんなことができたのだろう?

晩ご飯の時間になったので、リビングに行った。

お母さんと一緒にカレーを食べていると、お母さんがこんな話をしだした。

「この街には、お母さんが小さい時にも住んでたことがあったの」

「そうだったんだ」

私はカレーを口に運びながら聞いていた。

「家の近くに神社があるでしょ?お母さんが小学生くらいの時にこんな噂があったの…」