それから三日がすぎた。

あの洋館に行ってから何かおかしい。

あの日の夜から、ずっと同じ夢を見るのだ。

私はどこかの屋敷にいて、女の人が私を呼んでいる。

『こっち、こっちよ。早く私を見つけて。指輪を返して』と。

私は、どうしても気になって、この事を桐ヶ谷くんに相談することにした。

私は、急いで支度をして、桐ヶ谷くんの家に向かった。

桐ヶ谷くんの家のインターフォンを押した。

「…はい」

元気のない声が聞こえてきた。

「桐ヶ谷くん?少し話があるんだけど、入ってもいい?」

しばらくして、鍵が開く音がして、桐ヶ谷くんがでてきた。

「桐ヶ谷くん⁈どうしたのその顔!」

桐ヶ谷くんの顔は青白く、目にはくまがくっきりできていた。

「ごめんこんな姿で…ずっと調べものしてて、あんまり寝てないんだ」

そう言いながらも、家にあげてくれた。

私は、桐ヶ谷くんの部屋に入った。

部屋の中は、大量の紙と本で散らかっていた。

「どうしたの?これ…」

あまりの惨状に私は言葉を失った。

「あの洋館について調べたんだ。そしたら、さまざまな事件と関係があることがわかった。あそこは幽霊屋敷とも呼ばれていて、心霊マンションとは比べものにならないくらいの怪奇現象が起こっている。このファイルにまとめてあるのが、あの屋敷について詳しく書かれている記事や話だ。呼んどいて。俺は少し寝るから」

そう言うと、ベッドに横になって寝てしまった。

私は床にあったクッションを座布団がわりにして、桐谷くんが渡してくれた紙の束を読み始めた。