「あとから母親に聞いたら、その子が電車にのった日と同じ日に彼のおじいさんが亡くなったそうだよ」

「その子のおじいちゃんが助けてくれたの?」

「そうかもね」

私たちは駅弁を食べ終わると、また移動した。

「今日メインはここ」

そこは古びれた洋館だった。

それはまるで、外国のホラー映画に出てきそうな感じの雰囲気だった。

中に入ろうとしたところで、桐ヶ谷くんは、足を止めた。

「…やっぱりやめよう。嫌な感じがする」

そう言って元きた道を引き返した。

私も一歩踏み出した時にすごい悪寒がしたのだ。

今日はもう帰ろうということになり、そのまま家に帰った。