返事を待つこの数秒も、ドキドキしすぎて心臓が爆発しそう。
やっぱり言わなきゃよかった…なんて後悔していると。
「…妬いてるよ。ものすごくね」
バツが悪そうに顔を逸らして、口元を手で覆った流星。
「っ…!!」
その仕草も、赤く染まった頬も…流星の何もかもが、たまらなく愛おしい。
「っ…そう、なんだ」
宙に浮く感覚って、きっとこんな感じのことを言うんだろうな。
ふわふわしていて、歩いてる実感がまるでない。
ついさっきまで流星のことを忘れなきゃって思ってたのが嘘みたいだ。
「…ほら、もう行こ。ずっとここにいたら迷惑になるし」
「あっ、そういえばそうだった…」
ずっと図書館の出入口にいたということに気がつき、ハッとする。
人が通らなかったことが不幸中の幸いかもしれない。
とりあえずこの場から一旦離れて流星の後に続こうとしたら、急に足を止めた。
「そういえばそれ重いよね。気づかなくてごめん」
「いや、別にこれくらい大丈夫だけど…?」
何かと思えば、そんなことを気にしてわざわざ立ち止まったの…?
「早葵が大丈夫でも、俺が大丈夫じゃないの」