「また誘うからそのとき来てよ。いつでも大歓迎だからさ」
「…うん、わかった。ありがとう」
「ん、じゃあまた今度」
御坂はそう言って、私たちに背を向けた。
そのまま帰路に着いたのを確認してから、ほっと胸を撫で下ろす。
…よかった、御坂が優しくて。
あのなんとも言えない絶妙な空気の中にいるのも、かなり神経を使った気がする。
「…早葵は、彼と仲良いの?」
肩の力が抜けたて安心していると、流星はまっすぐに私を見つめてきた。
「か、彼って…御坂のこと?」
今さら二人きりであるということを意識し出すと、声が思ったように出てこない。
「そうに決まってるでしょ。なんか距離が無駄に近いし、早葵のことわかってるふうに言ってたし…」
「別にこのくらい普通じゃ…」
…って、え?
「普通でしょ」と言いかけて飲み込んだ。
なんか…こういうやり取り、前にもしたことがある気がする。
それも一回だけじゃない。
付き合ってた当時、何回かこういうことがあった覚えがある。
……もしかして、だけど。
「…妬いてる、の?」
ほんの少しの期待と不安。