家の散策から部屋に戻り、一休みしていると、龍崎が部屋に来て声を掛けた。

「お嬢様、ディナーの前にシャワーを浴びてお着替えなさいませんか?」

「…あっ…それでは…そうします。」

確か今日はお母様と食事をすると聞いていた。
やはり身だしなみは整える必要があるだろう。

その時、ふと私は少し嫌な予感がした。
すると、その予感は見事に当たっていたのである。

龍崎はシャワー室の脱衣所へ私を案内すると、スルスルと当たり前のように服を脱がし始めた。

「--------------なっ-------な----な---なにをするのですか!!」

慌てすぎて、言葉が上手く話せないくらいだ。
しかし、龍崎は何事も無かったように、普通に話をするのだった。


「恵美様、どうなさったのですか?」

「だだだ-----------だっっっって-----------なんで脱がせるの!!」

どうしたも、こうしたもない。
なぜこの人は普通に服を脱がせるのだろうか。

しかも、龍崎は不思議なものでも見るような表情をしながら私を見たのだ。

「恵美様、服を脱がないと、シャワーが浴びられませんよ!」

「わわわわ---------わかって------------いますよ------なんで------あなたが-----脱がすのですか!!」

釦を外そうとする龍崎の手を押さえた。
しかし、龍崎はまったく意味が分かっていないようである。


「恵美様、私の仕事ですから気になさらないでください。手をお離しください。」

「き…気になりまよ。私は自分で出来ますから、そちらこそ気になさらないでください!!」

「…困ったお嬢様ですね…では今日だけご自分でお脱ぎになってください。」

「は…はい。」

龍崎は少し不服そうな表情で脱衣所を出て行った。

私は龍崎が出て行ったのを確認して、大きく溜息をつきながら服を自分で脱ぎ始めた。

そしてシャワールームに片足を入れた時である。
出て行ったはずの龍崎が声を掛けて来たのだ。


「恵美様、入りますよ、失礼いたします。」

何を言っているのだろう。
意味が分からない。

しかし、振り返った時にはもう遅かったようだ。

龍崎は私のすぐ後ろに立っているではないか。

「ギギギヤァー------------------ッ!!」

私は全裸で絶叫した!!

「…恵美様、そんなに驚かないでください。お体を流しに参りました。」

「イッッッッッ------イヤです!!自分で洗います。」