「恵美様、先ずはお屋敷の中をご案内致します。」

そう言いながら、龍崎が私の右手をとり、エスコートしてくれる。
龍崎は動きの一つ一つが無駄なく美しい。
カッコ良すぎて見惚れてしまいそうになる。

案内されるお屋敷はかなり広く、迷子になりそうだった。
それぞれの部屋に置かれた装飾品は、値打ちが分らない私が見ても一流品なのは分かる。
どの部屋もアンティークで、センス良く落ち着く雰囲気だ。

案内されている間に、若い女性や男性とすれ違った。
メイドや執事の方々だと説明された。
このお屋敷には何人の人が働いているのだろうと思ってしまう。

ただ、龍崎と早乙女はその中でも特別なのか、挨拶する皆が緊張しているように見えた。

この二人は何故か不思議なオーラがあるように感じる。
最初に見たときも思ったが、何故か異世界の美しさがあるように思う。