「恵美様、どうぞお召し上がりください。」

昼食に用意されたのは、魚のムニエルと焼き立てのパン、かぼちゃのスープ、サラダだった。
どれも高級なレストランの料理のようで、盛り付けも美しくとても美味しそうだ。


早乙女は少し下がって見える位置で一礼する。

そしてそのまま、こちらをジッと見ているではないか。

(…そんなに見られていると…食べにくい…どうしよう…)


「…あ…あの…早乙女…さ…ん」


「早乙女と名前だけで結構です。どうされましたか?」


「…あの…一人で食べたいのですが…だめですか?」


少しの沈黙がドキドキする。
早乙女は少し考えていたようだが、すぐに頷いてくれた。


「…恵美様、それではドアの外におりますので、御用の時はお呼びください。」

(…ふぅーよかった…見られていると食べられないよ…)

早乙女は部屋を出てパタンとドアを閉じた。