受付は企業の顔
そんな場所でいじめや来客者に
色目を使ったなどと噂がたてば、
信用問題に関わるし、企業全体の
イメージダウン、株価、取り引きなど
みんなが積み上げてきたものが
崩れる可能性だってある
大きな企業だからこそ、1人の
揺らぎで簡単にダメになるって
古平さんは言いたいんだと思う
だからこそ辞めたいなら辞めてもいい。
ただ会社を守るために本人にしっかり
大切なことを伝えにきたのだと感じた
「あの‥‥花野さん。」
私の声にビクッとした様子を見せるも、
視線は合わないままだけど、
私も今伝えたいことを言いたかった。
「佐藤さんに育てていただいたお陰で
私は大きなクレームも出さずに1年
あの場所に立ててるの。
私たちのやり方があなたにとって
イジメに感じたなら心から謝ります。
ごめんなさい‥‥。
私の応対が色目を使う不快なものに
感じていたなら私はもう一度
やり直しが必要だと思ってる。
あなたはまだ仮配属で、今後部署を
変われる可能性もある。
でも私も佐藤さんも会社の顔として
毎日責任を感じながらも
選んであの場所に立ち続けてる。
それだけ真剣に働いてることは
分かってほしい。」
筒井さんに前に言われた。
企業とはマトリョーシカの
ようなものだと。
後輩を守るのも上の役目。
お前は1人じゃないってあの時
言ってもらえたから頑張れてる。
『‥‥‥‥‥‥全部‥‥嘘です。』
花野さん‥‥
俯いて涙を流した相手に、
古平さんと視線を合わせてから
小さく頷いた。
『分かったわ。それが聞きたかったの。
それであなたは今後も辞める方向で
気持ちは変わらない?』
『はい‥私にもう無理です。
合ってなかったと思うし
‥ご迷惑をおかけして
すみませんでした。』
『‥‥では‥‥主任にそう報告します。
退社の手続きはまた人事の方から
後日連絡します。』
ガチャ‥‥バタン
古平さんがお辞儀をして外へ
行った後も泣き続ける花野さんに
私も丁寧に頭を下げてから外へ出た。
彼女が何のためにあんな発言を
したかは聞けなかったけど、
花野さんから謝罪の言葉が
聞けたことでかなり
気持ちがラクになっている
せっかく出来た後輩だったけど、
彼女がこの先どんな仕事についても
同じ失敗は繰り返して欲しくないと
心から思う
冷たい対応なのかもしれないけど、
やっぱりやってはいけないことを
したからそこに優しさは与えられない
『井崎さん、勤務後にありがとう。
助かったよ。』
「いえ‥‥古平さんの言葉で、
さらに身が引き締まりましたので
また初心を思い出しながら
頑張ります。」
『あー今日が金曜日なら
飲みに行きたいとこだけど、
蓮見さんに報告行かないと。
井崎さんは直帰で大丈夫だから
お疲れ様、本当にありがとう。』
そんな場所でいじめや来客者に
色目を使ったなどと噂がたてば、
信用問題に関わるし、企業全体の
イメージダウン、株価、取り引きなど
みんなが積み上げてきたものが
崩れる可能性だってある
大きな企業だからこそ、1人の
揺らぎで簡単にダメになるって
古平さんは言いたいんだと思う
だからこそ辞めたいなら辞めてもいい。
ただ会社を守るために本人にしっかり
大切なことを伝えにきたのだと感じた
「あの‥‥花野さん。」
私の声にビクッとした様子を見せるも、
視線は合わないままだけど、
私も今伝えたいことを言いたかった。
「佐藤さんに育てていただいたお陰で
私は大きなクレームも出さずに1年
あの場所に立ててるの。
私たちのやり方があなたにとって
イジメに感じたなら心から謝ります。
ごめんなさい‥‥。
私の応対が色目を使う不快なものに
感じていたなら私はもう一度
やり直しが必要だと思ってる。
あなたはまだ仮配属で、今後部署を
変われる可能性もある。
でも私も佐藤さんも会社の顔として
毎日責任を感じながらも
選んであの場所に立ち続けてる。
それだけ真剣に働いてることは
分かってほしい。」
筒井さんに前に言われた。
企業とはマトリョーシカの
ようなものだと。
後輩を守るのも上の役目。
お前は1人じゃないってあの時
言ってもらえたから頑張れてる。
『‥‥‥‥‥‥全部‥‥嘘です。』
花野さん‥‥
俯いて涙を流した相手に、
古平さんと視線を合わせてから
小さく頷いた。
『分かったわ。それが聞きたかったの。
それであなたは今後も辞める方向で
気持ちは変わらない?』
『はい‥私にもう無理です。
合ってなかったと思うし
‥ご迷惑をおかけして
すみませんでした。』
『‥‥では‥‥主任にそう報告します。
退社の手続きはまた人事の方から
後日連絡します。』
ガチャ‥‥バタン
古平さんがお辞儀をして外へ
行った後も泣き続ける花野さんに
私も丁寧に頭を下げてから外へ出た。
彼女が何のためにあんな発言を
したかは聞けなかったけど、
花野さんから謝罪の言葉が
聞けたことでかなり
気持ちがラクになっている
せっかく出来た後輩だったけど、
彼女がこの先どんな仕事についても
同じ失敗は繰り返して欲しくないと
心から思う
冷たい対応なのかもしれないけど、
やっぱりやってはいけないことを
したからそこに優しさは与えられない
『井崎さん、勤務後にありがとう。
助かったよ。』
「いえ‥‥古平さんの言葉で、
さらに身が引き締まりましたので
また初心を思い出しながら
頑張ります。」
『あー今日が金曜日なら
飲みに行きたいとこだけど、
蓮見さんに報告行かないと。
井崎さんは直帰で大丈夫だから
お疲れ様、本当にありがとう。』