筒井さんとお出かけした日の夜は、
亮さんと蓮見さんがやっぱり夕方から
尋ねてきて久しぶりに楽しそうに
笑い合う3人を見ることができた。


帰りに買っていったデリバリーを
始め、私の作る簡単なお摘み、
亮さんが作ってくれたカレーなど
もあっという間に完食になるほどで、
お酒も進んでほろ酔いな気分で
2人は帰って行った。



「楽しかったですね‥‥。
 私、筒井さんがお2人と過ごされてる
 のを見れるのが1番好きです。」


『そうか‥‥俺は楽しいけど
 毎度のことだからクタクタだ。』


お風呂に入った後、寝室で
一緒に寝転んだまま涼んでいた。


肩肘をつきこちらを見ていた筒井さんが
空いていた手を伸ばしてくると
私の頭を撫でてくれ、それだけで
気持ち良くて眠ってしまいそうになる



『翔吾とのこと気になってるだろ?』


ドクン


閉じかけていた瞳を開けると、
筒井さんと視線がぶつかった


『眠いならまた今度話すから』


「聞きたいです‥‥筒井さんが
 話してくれることなら
 どんなことでも聞きたいです‥」


『お前‥‥』


頬に触れていた手をそっと握ると、
私の手を指で摩り始めた。


自分から聞くのはとても勇気がいる。


話してくれるということは、
その中に信頼関係がないと話せない。


だからこそ向き合ってくれる人には
ちゃんと向き合いたかった。
大切な人だからこそ。


『眠くなったら寝ろ。いいな?』


小さく頷くと、枕を並べてそこに
筒井さんも寝そべると、私を
優しく抱きしめるように腕の中に
入れてくれた


『前に学生の頃、大切にしていた
 人がいたことは話したのを覚えて
 るか?』


「はい、別荘で聞きました‥」


『‥‥‥俺の前から居なくなった
 彼女は翔吾の婚約者の妹なんだ。』


えっ?


あの女性の妹‥‥?


驚きすぎて、心臓がドクドクと動き出し
脳裏にジュニアと優香里さんと呼ばれていたあの綺麗な女性が思い浮かぶ


『彼女が〇〇製菓の娘という事は勿論
 在学中も知らなかった。
 俺と付き合うことを彼女の親に
 反対されてることも知らず、
 偶々何かのパーティーで翔吾と
 知り合ってそれから色々相談して
 いたらしい。
 相談に乗るうちに翔吾も彼女のことを
 好きになり、政略結婚させられる
 くらいなら自分と一緒に逃げようと
 提案して俺の前から消えた。』


嘘‥‥‥‥

ジュニアが筒井さんの彼女と?