一瞬真顔になった気がしたけど、
すぐにいつもの表情に戻ったので、
気のせいかと思いみんなでリビングに
向かった。


『霞ちゃん本当に料理上手だね。』


「いえ、ピザトーストを作ったのは
 筒井さんですよ。私は少しだけ
 お手伝いしただけです。」


『そういうことだからありがたく
 食べるんだな?そしていつも
 当たり前に食べに来るのを
 そろそろ辞めろ。』


美味しい珈琲とパンに3人の
楽しいやりとりを見るのが1番好きだ


こんなに容姿が整っている素敵な3人
なのに、揃うとまるで子供みたいで
そのギャップにも毎度驚かされる


会社のみんながこの姿を知ったら
驚くと思うけど、親しみやすい
この笑顔を向けられたらファンが
もっと増えるに違いない


『井崎さん良かったね。』


「はい、嬉しいです。
 筒井さんが1番リラックスできる
 場所でまた生活出来るのも
 安心しますし、電話だけではなく
 お顔が見れるだけで幸せです。」


2人が向こうでギャーギャー
騒いでいる中、亮さんと後片付けを
していた。


こんな日常がまた普通に見られる
なんてまだ信じられない‥‥‥


思っている以上に自分自身は成長した
姿をお見せできないままで筒井さんには
申し訳ないけど、帰られても成長する
目標は捨てずに頑張ろうと思う


『前にさ、滉一のそばにいて欲しいって
 頼んだこと覚えてる?』

 
「はい‥‥覚えてます。」


大学生の頃愛した女性が突然
自分の元から居なくなり、
荒れて遊び歩いていた筒井さんを
知っている亮さん。


私は話しか聞いてないから、
詳しくは分からないけど、
どんな事実でも筒井さん以外に
心がこんなにも動く人はいない‥‥


支えるとか、安心させられるかは
分からないけど、そばにいることは
出来る‥‥‥
これからも出来たらずっとそうしたい
と思うほどに。


『アイツがさ‥‥井崎さんのことを
 こんなにも大事にできるように
 なるなんてあの時は分からなかった。
 けど、側で見てきたからこそ、
 あんなに笑ってる滉一が久しぶりで
 嬉しいんだよね。
 だから感謝してる。ありがとう。』


亮さん‥‥‥‥


『ちょっとイタズラしてもいい?』


えっ?