不器用ながらにもちゃんとトマトや
ピーマンなどを切り、ピザソースを
塗ったフランスパンに
並べていたのでスゴイと拍手をしてみた


『お前な‥‥思ってないだろ?』


「思ってますよ?
 だってとても嬉しいですから。
 私もお手伝いします。」


『ああ‥頼む。』


2人でこうしてキッチンに並んで
食事の支度ができるなんて幸せだ‥‥


ベーコンを軽く焼いて、筒井さんの
具材にプラスして、
残りのフランスパンには
ハチミツとバターを塗ったものや
焼いた後にクリームチーズと生ハムを
乗せたり、シラスと大葉を乗せたりと色々2人で作れた。


筒井さんがその間に珈琲豆を
挽いてくれたので、私は
キウイフルーツやオレンジもついでに
カットしてみた。



『美味そうだな。』


「明日は和食を作りますね。
 ありがとうございます。」


隣に立つ筒井さんを見上げれば、
唇を軽く啄まれ驚いた私の赤くなる
顔を見て笑っていた


仕事も完璧で、スマートで大人な
筒井さんも大好きだけど、
私に触れた後に見せる優しく笑う
この感じも好きだ。


当たり前だけど私よりもうんと大人だし
落ち着いて接してくれるけど、
いつまで経ってもこうした小さな
スキンシップにも慣れないから
笑われてしまってる気がする


もっと落ち着いた大人の女性の方が
いいんじゃないのかな‥‥


「作り過ぎましたね。
 楽しくてフランスパンを丸々一本分
 使い切っちゃいました。」


『大丈夫だろ。もうすぐ来るから。』


えっ?


まさかとは思ったけど、
本当に次の瞬間インターホンが鳴り、
画面に写った人物に2人で笑った


ガチャ


「おはようございます。蓮見さん、
 亮さん。」


『おっはよー霞ちゃん。
 もしかして待ってた?』


『待ってるわけないだろ?
 煩いから早く上がれ。』


朝からハイテンションな蓮見さんは
筒井さんに叱られると嬉しそうに
リビングに向かって行った。


『井崎さんおはよう。
 なんか‥いつもごめんね?
 2人でゆっくりしたいだろ?』


『えっ?‥‥いえ‥大丈夫ですよ。
 私皆さん見てると楽しいので。』


『亮、掃除とか色々ありがとな。
 おかげで帰国してすぐ生活できて
 助かった。』


『ついでだから気にするな。
 もう次で行くのは最後だろ?』


『フッ‥‥そうだな。
 やらないといけないことも
 残ってるからな。』


えっ?