『お疲れ様‥‥』


「お疲れ様です。」


2本目のビールのプルトップを開けた
筒井さんとお風呂上がりにリビングで
私のおつまみと共に乾杯をした。


さっき沢山ごはんは食べたから、
少しだけおつまみを用意しただけで、
残りはまだ明日以降でも食べられるから
取っておくことにしたのだ


『疲れてないか?』


「はい‥‥筒井さんこそお疲れだと
 思いますので早めに
 ゆっくりして欲しいです。
 私はここで寝ても構いませんから。」



片付けをして歯磨きを終えた後、
スマホを見ると23時を回る頃で
部屋の窓を閉めると後ろから
抱き締められた。


筒井さんの香りにホッとして、
腰に回された手に自分の手を
重ねると指を絡められ私の耳元に
筒井さんの唇が寄せられ体が小さく
震える


『1人で寝かせるわけないだろ?』


私の右手を掴むと手首に唇を当てて
そこにチクッとする痛みを感じると
小さな赤い痕がついていた


「筒井さん‥‥伊野尾さんのことが
 なかったらフランスに戻られて
 たんですよね?‥‥‥また迷惑かけて
 しまって‥ごめんなさい‥‥。」


『‥‥それは1つのきっかけさ。
 元々フランスには、世話になった
 知り合いを助けるために行ったから、
 一段落したら帰るつもりだった。
 それが早まっただけだからお前の
 せいじゃない。』


もう一度後ろからギュッと抱き締められ
窓にうつる筒井さんと視線が交わり
恥ずかしくて俯いた



「迷惑かけてるのに‥‥私‥やっぱり
 嬉しくて‥‥自分のことばかり
 考えてます。」


心臓がトクントクンと少しずつ早くなり
多分顔が真っ赤になっていると思う


背中に感じる筒井さんの熱。

耳にかかる吐息。

低くて心地いい声。


その全てに私の全部が情けないほど
反応してる。



『‥お前のその素直なところが
 俺はたまらなく愛しいからもっと
 見せろ‥‥。』


ドクン


体の向きを変えられると、
筒井さんの指に顎を捉えられ
あっという間に深いキスが落とされた


何度も角度を変えながら舌を絡ませては
吸い付き、広いリビングにその音だけが
響き、立っていられなかなった私を
抱っこしながらもずっとキスは
続けられ、いつのまにかベッドに
下ろされていた。


「はぁ‥‥はぁ‥」


『フッ‥色々上書きしないとな‥』