ガチャ


『入って‥‥悪いが窓を全部開けて
 おいてくれないか?荷物運ぶから。』


「はい。」


スーパーの食材も運んでくれ、
一旦スーツケースを車に取りに戻った
筒井さんを見送り、リビングや寝室、
浴室などの窓を開けた。


夏に入る前の独特な湿度はあるものの、
夜はまだまだ涼しくて少し寒い‥


亮さんがこまめに換気してくれてるし、
今回もハウスキーパーを頼んで
掃除はしてもらっていたらしいから
お部屋の中はとても綺麗だ。


冷蔵庫に買ってきたものを入れてから
お風呂の準備をしていると、
筒井さんが帰ってきたので玄関まで
迎えに行った


『どうした?』


「あの‥‥お、お帰りなさい。」


次もここでこうして出迎えると
あの時約束したから、恥ずかしさが
かなり勝ってしまった状態で
筒井さんにお辞儀をした。


『フッ‥‥ただいま。』


「ンッ‥‥」


首の後ろに手を添えられると、
近づいてきた綺麗な顔に瞳を閉じると
啄むようなキスを落とされた


手を引かれてリビングまだ行くと、
筒井さんはネクタイを緩めスーツの
ジャケットを脱いだ。


「もうすぐお風呂が入るので、
 ゆっくり入ってきてください。」


『ああ、ありがとう。』


寝室でスーツケースの整理を少し
すると言い、筒井さんが
洗濯物などを洗濯機に入れたり
している間に簡単なお摘みを作ることに
した。


家に作り置きしておいた
ミニトマトのピクルスや明太子の
ポテトサラダ、味玉を荷物と
一緒に持ってきておいたので
それも少しずつお皿に取り出し、
あとは簡単に冷奴の上に刻んだ
梅干しと大葉と茗荷を乗せて
冷蔵庫で冷やした。



『はぁ‥‥生き返った。
 お前も入っておいで。』


「はい、ありがとうございます。
 冷蔵庫に簡単なおつまみ用意したので
 ビールと一緒にどうぞ。」



首からぶら下がっていたタオルで、
水滴が滴る筒井さんの頭を軽く
拭いてあげるとそのまままた唇を軽く
塞がれ驚いた。



『待ってるから行っておいで。
 後で一緒に飲もう。
 ‥‥茹蛸みたいになってるぞ?』


お風呂上がりで、色気も増して、
セットされた髪の毛も下りているだけで
ドキドキしてしまうのに、
タオルの中で見つめられたら誰でも
こうなってしまうと思う



筒井さんは視覚的にいい意味で毒だ‥


出会ってから5年経つけど
近くにいられるようになってから
まだ1年と少し。


追いつける日はきっと来ない‥‥