筒井さんからだ‥‥
昨日も話せたのにまた心配して
メールを送ってきてくれたんだ‥‥
私が大丈夫じゃないってちゃんと
分かってたのかな‥
嬉しくて目頭が熱くなってしまう‥‥
向こうは夜中だから、返信はまた夕方
以降にしようと決めてスマホを閉じると
首元のネックレスを右手で押さえた。
ネックレスと指輪のお守りがあって、
尚私を遠くから見守ってくれる人の
存在があるのに不安になっていたら
ダメだ‥‥。
頬を軽くペチペチと両手で叩くと、
休憩を終えて佐藤さんと交代をした。
『何かあったらすぐにインカムで
連絡してね。駆けつけるから。』
「はい、ありがとうございます。
昨日休んだ分頑張ります。」
『ふふ‥さっきとは全く違ういい顔ね。
あなたがいてくれて頼もしいわ。
いつもありがとう‥』
佐藤さん‥‥
まだまだ未熟で迷惑をかけることの
方が多い私に対して、厳しくも
優しく接してくださることの
ありがたさにもう一度頭を下げた。
筒井さんは今ここには居ないけど、
いつ戻られてもいいように、
成長したなと言ってもらえる姿で
立ち続けたい‥‥
最近色々あったから、
大切なことを忘れていた気がする
昨日できなかった事務作業を
こなしながらも、来客応対や
電話応対をこなしながらなんとか
1日が終わり、着替え終わった私は
筒井さんに真っ先にメールをした。
向こうが朝の10時過ぎだから
勤務中だと思うけど、起きてる時間
だから大丈夫だと思う‥‥
筒井さんにお礼の気持ちと返事の
返信を終えると休憩室から出て
帰宅することにした。
明日は土日だから、
久しぶりに買い物に行ったりして
気分転換しようかな‥‥
疲れも溜まってるから
ヘッドスパやリンパマッサージも
いいかも。
『井崎さん、ちょっといいかな?』
えっ?
エントランスを出てから駅に向かう
ところで後ろから声をかけられ
振り返ると見たことない男性で
驚いて固まってしまった
誰だろう‥‥‥
でも私の名前を知ってるってことは
同じ会社の人なのだろうか?
スーツは着ているし、通勤カバン
らしきものも手にしてるけど、
怪しい人ではないか不安になる
『あの‥‥少し話したいことが
あるんだけど時間とかって
大丈夫かな?』
「‥‥‥あの急いでるので
ごめんなさい。失礼します‥」