なんか今日1日で色々あったから
どっと疲れがやってきてしまい、
その日はお風呂に入るとすぐに
眠気がやってきて次の日の朝まで
ぐっすり眠ってしまった。


次の週

いつも通りに出社して仕事を
していると、受付の電話がなり
深呼吸をしてから受話器を取った


「はい、株式会社DUEL受付の
　井崎でございます。」


『（伊野尾　翔吾っている？）』


えっ？


伊野尾って当たり前だけど
ジュニアの事だよね‥‥。


「大変失礼ですが、お客様の
　お名前をお伺いしてもよろしいで
　しょうか？」


横にいる佐藤さんに、目で合図を
した後、メモにジュニア当ての電話
などと走り書きで書いていく。


会社や支店などからの電話なら、
企業名や名前を名乗ることが普通
なのに、電話の相手は何も言わない
のでいることを伝えない方がいい気が
してしまったのだ。


『（あなた私のこと知らないのね？
　電話を今すぐ繋いで？婚約者の黛と
　言えば分かるはずだから。）』


「黛（まゆずみ）様ですね。
　ご確認致しますので暫く
　お待ちくださいませ。」


保留にして
佐藤さんに確認してから秘書課に電話
をすると、ジュニアにすぐに繋いで
もらえた。


婚約者って‥‥
そんな方からの電話にも驚くけど、
社内用の電話を使ってきたことに、
本当に繋いでいいかわからないでいた。


親しい方ならスマホにかけるはずだし、
そんな電話を受けたこともないから
少しパニックになりかけている



『伊野尾です。井崎さん
　どうかしたか？』


「あの‥お忙しいところすみません。
　受付に婚約者の黛様からお電話が
　入っておりますがお繋ぎしても
　よろしいでしょうか？
　それともお断りした方が
　よろしければそう致します。」


『‥‥断ってくれないか？
　会議で抜けられないとでも
　伝えてくれたらいいから。』


「はい‥かしこまりました。」


佐藤さんにバツと両手でサインを出すと
深呼吸をしてから外線の
受話器を取った。


『（遅い！！繋ぐだけなのに
　どれだけ時間かかってるの！？）』


「た、大変申し訳ありません。
　本日は大切な会議の為電話に
　お繋ぎすることが出来かねます。
　伝言などございましたらお伝え
　致しますがいかがされますか？」


いきなりの怒鳴り声に心が折れそうに
なりつつも、ジュニアの電話越しの
低めの声での返答になんとか出来る
応対をしようと試みた。


『（あんたに伝えてもらうことなんて
　ないに決まってるでしょ？
　翔吾がそこにいることは分かったから
　いいわ？後日直接行くから。）』


「えっ？あ！‥‥‥」