メール?


パソコンを開くと、
操作を少ししてから私の方に
画面をそっと見せてくれた。


「‥‥‥‥‥‥えっ!?
 これって‥‥どういうことですか?」



あまりの内容に驚いて両手で口元を
押さえてしまう‥


『当事者じゃないと分からないし、
 本当のことなら企業にとっても
 良くないことだから霞ちゃんには
 嘘偽りなく話して欲しいんだ。』


蓮見さんを見てから
コクコクと小さく頷くものの、
まだ信じられなくて少し体が震える



--------------------------------------------------


受付で毎日2人から
イジメにあっています。
佐藤さんからは心にもないことばかり
勤務中ずっと言われるし、
特に井崎さんは来る人くる人に
色目を使っていてウンザリです。
こんな会社辞めたいです。


花野 唯華
--------------------------------------------------


酷すぎる嘘の内容に、
今までやってきたことを否定される
ような気持ちにさせられ
頭が真っ白になってしまう


イジメ?
何をどう取ったらそう思うのだろう?


確かに語尾を伸ばしたり、私語が
多かったりと同じことでの注意は
毎日何度もしていたと思う。


でもそれは、私がここに配属された
時にプレッシャーのように感じた
【企業の顔】という事があってのことだ



だから前任の山崎さんや、佐藤さんから
厳しく育てられたけど、それをクリア
しないとここには立てないと思い
必死で覚えて見て学んできたのだ


『‥‥‥俺はずっと見て来たから
 2人に限ってこんなことは
 しない子だと思ってる。』



蓮見さん‥‥‥


パソコンの画面を閉じると、
私の方を向きツラそうな表情を
向けて来た。


『霞ちゃんはさ、特に滉一の事もあって
 距離感が近いのもあるけど、
 仕事に私情を挟むことは
 やっぱり出来ない‥‥。
 まだ上にはこれから報告になるし、
 さとちゃんからも話を聞かないと
 いけないからな。』


「佐藤さんは指導者として責任を持ち
 花野さんを育てています。
 私も昨年沢山失敗したからこそ
 教えて頂いたことを伝えて来ました。
 それでも花野さんがそれをそう感じて
 しまったなら‥私は何も言えません。
 私に関しても、色目を使ったことも
 一度もありません‥‥。」


自分ではちゃんとやってても、
受け取る側がそう感じたなら
フォローが足りなかったのかもしれない




でも‥‥
これは流石に落ち込む‥‥
ダメだ‥‥泣くな‥‥‥‥


『分かった。
 疲れてるのに悪かったね‥‥
 ありがとう、霞ちゃん。』