首根っこを掴まれたままの蓮見さんが
指を伸ばした先が、私の首元を指差すと
ニヤッと笑った


「‥‥‥ツッ!!」


シャワーした時に付けられたものが
見えてしまっていたのだろうか‥


髪の毛はおろしてたから大丈夫かなと
思っていたけど、首が隠れるシャツは
持ってきていなかったから、ちゃんと
コンシーラーで隠すべきだった。


『からかうのは辞めろ。』


『えー?からかわれるようなことを
 したのは君でしょう?』


『はぁ‥‥煙草吸ってくる。』


ペシっと蓮見さんの頭を叩いた
筒井さんがさっきの蓮見さんより
大きな溜め息を吐くと、
先にベランダにいた亮さんと一緒に
煙草を吸い始めた。



『驚いたでしょ?滉一が帰ってきて。』


「はい。蓮見さんたちはもちろん
 知ってたんですよね?」


首のことは恥ずかしいけど置いておいて片づけを手伝ってくれる蓮見さんに
聞いてみた。


亮さんも筒井さんの車で空港に行ったし
驚いている様子もなかったから
やっぱり私だけなんだよね‥‥


『本当は声かけるつもりはなかった
 んだけど、花野さんのことが
 あった時にこっちのスケジュールを
 聞いてきたのは滉一のほうなんだ。』


えっ?


纏めて洗い物を運び終えた蓮見さんが、
驚く私を見て笑った。


『ま、君が心配で飛んできたって
 ことなんじゃない?そんなにすぐに
 こんな纏まった休みが取れるわけが
 ないから、あれから必死で仕事して
 終わらせてきたはずだから。』



「私はてっきり蓮見さんが誘った
 ものだと‥‥‥」


『霞ちゃんがいっぱい告白されてるって
 言ったらアイツ黙っちゃったからね。
 ククッ‥‥本当はきっと
 連れて行きたいくらい心配なんだよ。
 言わないけど今回の旅行で
 いっぱい伝わってるよね?』


「えっ?そ、そんな‥‥
 何言ってるんですか‥‥」


顔が真っ赤になった私はベランダに
いる筒井さんを見つめながら、
お皿を予洗いしてから食洗機に入れ
みんなに食後の焙じ茶を出す為に
準備をし始めた


「あ、そうだ!
 蓮見さんにお土産があるんです!」


『俺も2人にあるよ。』


筒井さん達が部屋に戻ってきてから
ダイニングテーブルの上に買ってきた
お土産を沢山並べていくだけで
ワクワクしてしまう


筒井さんのフランスのお土産、
私と筒井さんからの温泉のお土産、
そして蓮見さんと亮さん、古平さんから
のニュージーランドのお土産を
順番に交換した。