クリスマスらしくケーキに蝋燭を
刺して火をつけると、
電気を消してから4人で集まって
スマホで記念撮影をした。


『なんか俺だけ
 心霊写真みたいじゃない?』


『ハハッ!!本当だ!!』


全身黒のお洋服を着ていた亮さんが
暗闇で顔だけ際立って写っていたため
筒井さんと蓮見さんがツボにハマったのか暫く笑っていた。


2人とも仕事してる時は別人に見える
くらい大人っぽいのに、ゲラゲラ
笑う姿はまるで子供のようだ。


『おい、もうケーキ2人で食べるから
 お前らはなしな。』


『おい、亮ごめんって!!
 プッ‥‥ハハッ!!』


お酒が入っているせいもあり、
テンション高めの蓮見さんを無視して
綺麗にケーキを切り分けると、
ブルーベリーとラズベリーの酸味で
サッパリとした味のケーキが
最高に美味し過ぎて
あっという間になくなった。


本当にこの人達は底なしの胃の持ち主
なのかもしれない‥‥


料理も全てなくなり、
後片付けをしながら楽しそうな3人を
見ていると、ナッツと余った生ハムで
まだ余裕で飲んでいる。


何かおつまみ作った方がいいかな‥‥


『よし、そろそろお暇しようかな。』


えっ?


日付が変わる頃立ち上がった2人に
てっきり朝までコースになると
思っていた私は驚いてしまった


「えっ?もう帰られるんですか?」


『うん、井崎さん料理ありがとう。
 本当に美味しかったよ。
 滉一もまたな。』


『ああ、来てくれてサンキュ』


ゾロゾロと2人を玄関まで見送りに
行くと、私は慌てて荷物の中から
2人へのプレゼントを取り出し、
ギリギリのところで差し出した。


「蓮見さん、亮さん、私からの
 プレゼントです。
 いつもありがとうございます。」


『井崎さんありがとう‥嬉しいな。』


『俺も。霞ちゃんハグしてあげ』

『はい、もうお前ら帰れ。お疲れ』

『なんだよ!!また嫉妬かよ!
 霞ちゃんありがとう。じゃあな。』


騒がしい2人を見送ると、
部屋の中が嘘みたいに静かになった


「筒井さんにもプレゼント用意
 したんです。あとで
 受け取ってもらえますか?」


『ああ、楽しみだな。』


見上げると肩を抱いてもらい、
こめかみにキスを落とされた。


片付けはある程度終わっていたから、
交代でお風呂に入ると、リビングの
ソファに座っていた筒井さんに呼ばれた


『寒くないか?』


「はい、大丈夫です。」


手を引かれて隣に座ると、
差し出されたリボンがかけられた箱に
驚いて筒井さんを見つめる。


『お前へのクリスマスプレゼント。
 受け取って貰えますか?』