「大丈夫ですよ、筒井さんだけ
 休まれて‥‥あっ!筒井さん!!」


強制的に腕を引かれて寝室に
連れて行かれると、そのまま
ベッドに寝かされて筒井さんの
腕に包まれた


「私‥‥まだ眠くないです‥‥」


腕だけではなく、逃がさないように
足を絡められると恥ずかしくて、つい
あの時のことを思い出してしまう


『俺はお前とこうしてたい‥‥
 嫌ならやめるから。』


ドクン


嫌なはずないのに‥
そんな聞き方はズルい‥‥


小さく横に首を振ると、
私の髪の毛に指を絡めてそこに
筒井さんが唇を触れさせた


『短いのも似合ってる‥‥‥』


「ツッ‥‥ありがとうございます‥」


唇がおでこに触れると、
真っ赤な顔をして見上げた私を見て
筒井さんが私に覆い被さった


『フッ‥‥そんな顔されると
 簡単に寝かせれなくなるな‥』



綺麗な顔立ちの筒井さんを見上げると、
うっすら瞼やこめかみに残る傷痕が
気になり無意識に手を伸ばして触って
しまった。


あんなに何針も縫ったのに、
2ヶ月もすればこんなにも目立たなく
なるなんて改めて人間の回復力って
すごいなって思える


車の運転だって言わないだけで
もしかしたら不安があるかもしれない


それでもまた前を向いてくれた‥‥


『お前‥‥夜は寝かさないからな。』


えっ?


「筒井さ‥‥くすぐったい‥ンッ」


おでこや鼻の頭に軽く触れた唇が
ようやく唇に触れてくれると、
深くて甘いキスに溺れてとろけた私は、そのまま温かい腕の中に包まれ
筒井さんと一緒にお昼寝をした



『美味そう‥‥』


「味は保証出来ませんからね。」


キッチンで炊飯器で湯煎しておいた
ローストビーフを取り出して
切っていたら、味見をしたそうに
来た筒井さんの口に1枚だけ差し出すと
美味しそうに食べてくれた


「足りるか心配になってきました‥」


亮さんは別として、筒井さんと蓮見さん
はものすごく沢山食べられるから、
多めに色々作ったけど心配だ
 

ローストビーフ
ブルスケッタを3種
プチトマトの香草焼き
生ハムとクリームチーズ、オリーブの
塩漬けのピンチョス
鶏もも肉のオーブン焼き
海老の生春巻きなどを
食べやすいようにお皿に並べると、
タイミングよくインターホンが鳴り
筒井さんと顔を見合わせて笑った


ガチャ


『お前の鼻はよく効くな?』


『あったりまえだろ!お昼軽めにして
 我慢してたんだからな。
 あっ、霞ちゃん、これ俺と亮から
 クリスマスケーキね。』


「わっ!ケーキが頂けるなんて
 嬉しいです!
 ありがとうございます。」