驚き過ぎて、飲みかけていたラテを
喉に詰まらせそうになる


杉浦君‥‥
ついに菖蒲に気持ちを伝えたんだ‥


弟のように見守っていただけに、
頑張ったことに嬉しくなる



「それで?‥‥酔っ払いの菖蒲は
 どう答えたの?」


『うん‥‥なんとなく、もしかしたら
 私のこと好きなのかなっていうのは
 分かってたんだ。ほら‥‥あの子
 驚くくらい真っ直ぐじゃない?
 だから前の彼のこともあるし、
 私も色々悩んだけど、まずは
 デートでもしてみようか?って
 言ってみた。』


「そうなんだ。彼、喜んだでしょ?」


菖蒲のこんな話を聞けるなんて
幸せすぎて思わず顔がニヤけてしまう。


『うん‥‥酔った私よりも赤い顔して
 喜んでた。』


うわ‥‥
なんとなく想像出来てしまい、
私まで恥ずかしくなり口元を手で
押さえた。


2人ともお互いツラい事があったけど、
菖蒲の嬉しそうな顔を見て話せるだけで
私も幸せな気持ちにさせられる。



菖蒲と杉浦君のことは2人の問題だから
私はまた見守ることしか出来ないけど、
まずはデートを楽しんで欲しいな‥



『筒井さんなんでも持ってそうだから、
 欲しいものなさそう‥‥』


菖蒲とカフェで別れた後、
デパートをブラブラしながら
ショップを覗いてはみたものの、
彼女の言う通り、欲しいものが何も
浮かんでこない。


料理が苦手だから、自動クッキング
マシーンなんてものがあれば
迷わずプレゼントしたいくらいだ。


本人に聞いた方が早い気もするけど、
やっぱりこういうのは気持ちだから
選びたい‥‥


悩んで迷ったけど、なんとか
プレゼントを買えた私は、
眠る前にかかってきた電話に
深呼吸をしてから出た。



「もしもし‥こんばんは。」


『(こんばんは。まだ起きてたか?)』


「はい、今から寝ようかなって
 ベッドに寝転んでます。
 今日はゆっくり出来ましたか?」


『(昨日、拓巳と亮に飲まされて
 夜中まで付き合わされたから、
 疲れてよく眠れた。)』


「楽しそうで羨ましいです。」


良かった‥‥
眠れたって聞けただけで安心して
私も眠れそうだから。


『(来週末、みんなで集まって
 クリスマスパーティをするけど、
 お前も来るか?)』


「えっ?行きたいです!
 料理もして宜しければ、大したもの
 作れませんが、皆さんのも
 作ってもいいですか?」