筒井さんに背中を向けて壁側を向くと、
改めて筒井さんの温もりを感じてしまい
一気に恥ずかしさが増してしまった
のに、不意打ちかのように後ろから
抱き締められると体が固まった


「つ、筒井さんっ!?」


『‥これ以上は何もしないから
 今だけはこうさせて欲しい。』


私の腰辺りに巻きつく手や、
足のラインに添う筒井さんの体に
顔から火が出そうになる


これは治療‥‥そう治療だから‥。
筒井さんが少しでも眠れるように
してるだけだから‥‥。



そう言い聞かせながらも
やっぱり一気に色々あって
疲れていたのか、久しぶりに感じる
温かい温もりにあっという間に意識が
なくなり、いつの間にか眠ってしまった







「‥‥ん‥‥」


なんだろう‥‥いつもよりも
あったかい‥‥


昨日あんなに雪が降っていたのに、
どうしてここはこんなにも
あったかいんだろう‥‥


離れがたいその温もりに擦り寄ると
規則正しい動きが耳に届き、
ゆっくりと瞳を開けた。


なんの音だろう‥‥
時計じゃないし、なんか安心する‥‥



モゾモゾと動くと、ギュッと体を
引き寄せられた感覚に驚き、
一気に目が覚めていく


えっ?
ええっ!!?


なんでこうなってるの?


昨日は背中を向けて寝たはずなのに、
目の前に筒井さんの体があり、
腕の中に閉じ込められるような体制で
眠っていたのだ


カーテンの外がかなり
明るいということは
季節的にもう8時は過ぎてる?


筒井さんは眠れたのだろうか‥‥


確かめたいのに、身動きがとれないほど
抱えられていてどうしていいかわからず
いると、クスクスと笑う声に勢いよく
そこから離れた



『‥‥おはよう。』


「あっ‥‥おはようございます。
 あ、あの、眠れましたか?」


いつから起きていたのか分からないけど
あまりの心地よさに擦り寄っていた
ことがバレてないといいと思った


『寒いからまだ入れ。
 久しぶりに一度も起きずに寝れた。
 お前の男らしい提案のおかげだな?
 ありがとう‥‥』


「それは‥‥良かったです。
 あっ、あ、朝ご飯食べられますよね?
 まだ寝てて頂いていいですから。」


そこから起きあがろうとしたら、
許してもらえないというように
もう一度布団の中に戻されると、
筒井さんがまた私を抱きしめた。


「筒井さん!ね、寝惚けてるなら」


『霞』


ドクン